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友達が少ないのでひとりごとを言っている

名探偵コナン ゼロの執行人・感想 超楽しかった

ついこないだ4DXで「純黒の悪夢」を観たので、今作「ゼロの執行人」も気になっていました。Twitterで犯人ネタバレテロが横行していることを知って、できるだけフラットな状態で観ておかねばと急いで行ってきました。興奮そのままに書き散らしますが、犯人が誰かだけは決して言わないので安心してください。

 

でも犯人を知ったところでそんなのはささいな問題だと思えるほどに、楽しめる要素が盛りだくさんなので、もしばらされて落ち込んでしまってる人がいたら諦めず見に行ってほしいです。

 

冒頭、新設のスマートシティ完成のニュース後に秒で爆破から始まった時点で、この映画のやばさを予感しました。「東京サミットに向けて東京湾の埋め立て地に肝入りで超気合い入れて会議場とカジノと公園とかいろいろ作ってすげえんだぜ!」って数分かけて紹介されて、ここが今回の舞台なのかな~ってわくわくしてたのに、結構な爆破。事件発生までのスピードの速さ。コナン映画で今までどれだけの建造物や開園したばかりのレジャーランドが破壊されてきたんだろう。

 

思えば「純黒の悪夢」もノックリストを盗み出し車が大破するところから始まり、最終的に観覧車が転がったけど、それをはるかに上回るスケール感です。

というかスケール感でいえば、今作が過去一番でかいのではないでしょうか。悪夢のオスプレイ登場もびびったけど、今回はなんせ「宇宙」レベルなので…。

 

 

コナン映画は賢い大人たちが一生懸命作ったものだと思うので、安心して賛辞も文句も述べます。

 

まずほんとに要素が多すぎる…。国際サミット、人工衛星、ドローン、IoT、濡れ衣、正義、安室、蘭がやたらと新一に連絡するし、過去の因縁、謎の弁護人、公安と警察と検察とのなんやかんやしがらみなど…。

初見ではとても追いきれないし、動機が妥当なのかも理解不足で判断しかねました。「悪夢」はそこまでややこしくなかったものの、謎解きパートがはっきりせず、この理解であってるのか?と不安になりながら見たのに対し、今作はしつこく解説してくれて助かりました。でも難しい。公安警察と公安検察を聞き分けるために脳のメモリをくわれてしまって、鳥頭のわたしには厳しかったです。図解をもっと増やしてくれても良かったのに、と思いますが、このへんは何度も通いたくなる要素として、意図的に残された複雑さなのかもしれません。

 

もちろん論理がわからなくても楽しめるポイントがたくさんあるので、置いてけぼり感は全くありませんでした。

先ほど述べたような、ブレストで適当に書き出したのかよという雑多な要素をまとめる強引な脚本がすごい。公安と警察と検察とのなんやかんやしがらみ周辺の論理的な難解さと、物理的な困難を解決する人知を超えたパワーをOKにしてしまう大胆さのギャップにくらくらします。

安室の運転技術と彼の愛車の耐久力、阿笠博士の圧倒的開発力、コナンのボールは友達力がまじですごすぎる。安室のカーアクションは「悪夢」でも堪能できましたが、今作もかなりの気合を感じました。カーアクションのプロット考える人は楽しかっただろうな。阿笠博士は国家予算でもついてるんでしょうね。灰原哀も優秀過ぎて草。

コナンがどこでもボール射出ベルトとキック力増強シューズで危機を救うのは定番ですね。今回はさすがに無理では…愛と勇気と知恵で何とかするのかな…と心配しましたが、圧倒的パワーで解決しました。阿笠博士とコナンをなめていました。プリキュアでも見てるのかなと思いました。

 

あと脚本のよかったところを2点あげると、一つはダークヒーローを描いたこと。安室がダークヒーローなんだろうなということは予告の時点で予想がつくのですが、コナンも相手の良心を逆手にとったようなゲスい作戦をとるのが新鮮でした。安室の行動も、普通の予想よりはもうちょっとゲスを重ねた展開なのでそこも満足できると思います。

「悪夢」が少年探偵団の天真爛漫さに触れてあっさり犯人が改悛する、という都合のよいハートウォーミングなストーリーだったのに比べてと、見ごたえあったなと感じました。

 

もう一つは何と言っても、「安室さんって彼女いるの?」です。 

「安室さんって彼女いるの?」という、ファンの多くが知りたかった質問をコナンが投げかけ、そこに安室さんが本気の答えを返し、アクションシーン突入→例のメインテーマが爆音でスタート!・・・という一連の流れは、コナンにしか分泌できないアドレナリンが湯水のごとく沸いてくる極上の仕上がりだった。

感想『名探偵コナン ゼロの執行人』。安室透人気を質に入れた暴挙ともいえる構成に拍手! - ジゴワットレポート

 まさにこれです。軽率にテンション上げられてしまって、踊らされてるのを感じました。それまでの、焦らしに焦らされ安室の本心が秘匿されていたところからの共闘、安室さんやるじゃん!という興奮。これまた「悪夢」で赤井に翻弄されていたことを思うと、はるかに頼れる男の魅力があふれてしまっているところにこれ。さすがにずるい。

 

とにかくサービス精神を感じる脚本でした。おそらく観客の理解のぎりぎりを攻めた推理はしっかり構え、ドキドキハラハラのアクション、安室というキャラクターの魅力、新一と蘭の関係も描き、これでもかと楽しませられました。ハンバーグ食べに行ったと思ったら、ラーメンとパフェもついてきて全部美味しく食べられたけどおなかいっぱいです。

推理パートのハードさとアクションパートの頭の悪さのギャップは、まじでシャブなのでは…と思います。正気の大人が集まってこの作品ができているとは想像しがたい。他では味わえない興奮であることは間違いないです。

 

そして、最後ダメ押しで主題歌がかっこよかった!

gyao.yahoo.co.jp

「真実はひとつ でも正義は 涙の数だけ」

最高の歌い出し、本編の後だとかなり切実に沁みます。でも福山雅治色が強すぎてなんだか笑ってしまう。ソロトランペットとアコギソロがめちゃめちゃクールでかっこいい。ティンバレス(?)の音がサビの前後に入ったり、打楽器もかなり好きなアレンジでした。歌詞もすごくいい気がするのに、ただ彼のねっとりボイスに福山雅治の顔がちらちら浮かんでいまいち集中できなさに笑えて最高でした。プレイリストに入れました。おすすめできるポイントがありすぎるな。

 

 

最近見たコナン映画が「純黒の悪夢」くらいしかないので、その比較ばかりになってしまいました。今作でかなりコナン映画結構面白いなと思えたので、最近のもぼちぼち観たくなりました。

次作、怪盗キッドルートらしいので超楽しみ!来年もきっと観に行きます!