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M-1 三回戦GYAO動画感想/素人には漫才もわからない/ミョウガの衝撃他

日本一の漫才師を決めるM-1が準々決勝を控え、三回戦の模様がGYAOにて公開されました。寝る間をしっかりと惜しんで、好きなやつと評判の良さそうなやつをちまちま見ているので、到底全部は見終わりませんが、日々の楽しみができて嬉しいです。特にネタの核心に触れるなどもしてないと思います。漫才って「自分が思っていたよりも色んな型があって面白いなあ」という感嘆を述べているだけです。



3か月くらい前までは、そんなにお笑いに興味もなく、Youtubeあらびき団ガリガリガリクソンモンスターエンジンの違法アップロードをたまに見るだけでした。M-1キングオブコントもろくに見たことがありませんでした。


とろサーモンが優勝したって、ゆにばーすが優勝したら引退すると宣言したってまったく無関係に生きてきました。興味をもったきっかけは、フワちゃんです。nekonaritai.hatenablog.com
フワちゃんのことが気になりすぎて、なぜフワちゃんがフワちゃんになったのかを調べていくうちに、お笑いの世界のおおよその構図が見えてきて、お笑いというのは自分が思っていたよりいろいろな型があることを知ることが出来ました。


テレビでやっているお笑い番組のなかでも、「ゴッドタン」と「あらびき団」だけは好きでよく見ていました。どうやら惹かれていたのは「万人にはウケないけど、とにかく一部の人が面白さを見出すタイプの笑い」のようです。いいですか、ここで大事なのは、「見出す」の部分ですよ。大体ひねくれた人間は「これ面白いでしょう?」なんて言われたところで「ハイ面白い」とはいかないのです。「一般的に面白くないものに面白さを見つけている自分が面白い人間である」ことに安心してようやく満足するのです。知らんけど。


とにかく「そういう笑い」があるのは知っていたけど、それを恒常的に職業としてやっている芸人の人生についてまで考えが及んだことはありませんでした。「そういう笑い」をやる人間が「尖っている」と表現されるのも知りました。人生日々勉強がありますわ。自分は「尖った笑い」が好きなんだと気づきましたし、「尖った笑い」に人生賭けてる人たちの存在があって、ごくたまにメディアに出てきていたものを見ていただけなのでした。海の上流に川があり、川が一滴の雫から始まるのを見た思い。


賞レースの決勝はテレビなので、テレビ映えするように演出込みでファイナリストが選ばれてしまうのは仕方がないことなのでしょう。だからテレビでやっている賞レースを見ても、いまいち面白くないのです。テレビを見ている人口のうち一番多くの人が、面白いと思うであろう人達が選ばれているので。テレビで見られるお笑いというのは、ほとんど大衆の感じる面白いにチューニングされていて最大公約数でしかないんだろうな、と今は思っています。好きなタイプの笑いは予選の篩からこぼれていることを知りませんでした。



三回戦で落ちてるけど上に上がっていいと思うくらい面白い3本

個人的にはめちゃくちゃ面白いのに三回戦の時点で落とされる組もあって、漫才も、面白いって何なのかもよくわかりません。

あちこちでもうたくさん言われていますが、真空ジェシカの「露出狂の起源」は着眼点も独自かつ、ちょっと意外な展開もあり見ごたえある3分半なのになあ、と悔しい想いがあります。公開期限がいつまでなのか分かりませんが一応リンクを貼っておきます。
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こっちはあんまり褒める声を聞かないのですが、「なんでも詳しい」スイランの漫才も大変好みでした。詳しい分野には意外なチョイスを差しはさみつつ、ワードを早口でとうとうと述べる姿が滑稽でいいパッケージだなと思います。ラフターナイトでやっていたネタもゲーム風の面白いシステムを発明していました。オンエアされるので是非聞いてほしいです。こういう、漫才の枠ぎりぎりを攻めた発明をしている人がもっと評価されてもいいのにな。
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既にまあまあ知名度があって、賞レースで勝ち上がらなくてもいいかもしれないし、M-1よりもおもしろ荘で評価された方がいいのかもしれませんが、フースーヤが落ちてトム・ブラウンが勝ち上がるのは不思議なことだね、と思います。決勝に行けるとは到底言いませんが、準決勝くらいには居てもいいじゃない。テンポが良く、ビジュアルも楽しくてつい繰り返し見てしまいます。
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家でぼんやりと動画を見ているだけでも、だんだん笑い飽きしてくるので審査員は大変ですね。コンビニとかモテたいとか○○やってくれとかベタであるだけで見る気なくすという意見も分かる気がします。そんな中でも上の3つは新鮮に面白いと思ったんだけどな。難しいですね。こんなわけわからん世界で戦う芸人という人たちを尊敬します。全部は見てないので、気に入ったのはこれからまだ増えそうです。



アンチ正統派なだけかもしれない


優勝候補と言われている数組はたしかに面白いけど、何度も見たい余韻はなく、見終わった後に特に印象に残らないなあという感想です。完成度は高くなくても、新しいことをやろうとしているのが好きだな。準々決勝に勝ち進んでいる組のネタの細かな内容は書きませんが、発明しているなあと思うものを挙げてみます。


ラフレクランマヂカルラブリーのネタで見られた、ステージ内にとどまらず、演技力で客席側にあるものを想像させる手法は、なんだかいいもの見たなという気持ちになれました。ラフレクランきょんさんの演じる女形の、「リアリティはないのに魅力的な存在感」が大変好みなので漫才でも見られて嬉しいです。他に、井下好井のマイクの扱いや、天竺鼠の「ここで漫才しよう」という掴みだったりは、漫才の型自体を疑ってかかる視点を与えられて得した気分になりました。


ネタの中身での新鮮さでいうと、ぺこぱの全肯定ツッコミは今の時代に合っているいい漫才ですね。Aマッソの選ぶトピックは相変わらず他の追随を許さぬ不条理感にわくわくします。そんな中でも今回の白眉はDr. ハインリッヒでしょう。もはや見終わった後、世界が輝いて見えました。これからの自分の人生は「ミョウガ前」「ミョウガ後」で分けられるかもしれません。


これまでに挙げたようなネタは発想型と呼ばれて、それだけに頼るのを嫌われることもあるようですが、自分にとっては「ぼーっと生きてたらもったいないな」と思わせてくれる素敵なトリガーです。漫才から刺激を受けている、なんていうのはつまらない感想ですが、つまらない人間なのでいいです。大丈夫ですひとまず甘んじます。


お笑いって世の中のいろいろを一番分かり易く咀嚼したもので、森羅万象を一番大勢に分かるように切り取ったものだと思うので、つまり咀嚼しきっているものからインスピレーションを得るってのは何だかなと思うのですが…ああ上手いことまとまらなかった。上手いことビシッと言う予定だったんですけどね。この辺はもう少し考えて出直します。


どうせ決勝は「みんなが面白いっていうのはわかるけどな、もっと面白い漫才師いっぱいいるのにな」というメンツになるんでしょうが、自分が大変評価した「尖った笑い」を「正統派で堅実な笑い」で抑え込んだやつらなのだと思うと楽しんでみられる気がします。準々決勝は外れたので見に行くことは叶いませんが、レポを漁ったりGYAO動画を見たりM-1の全部を楽しんでいく所存です。おわり!